大腸がん健診と聞いて頭に浮かぶのは便潜血検査と大腸カメラ(下部消化管内視鏡検査)でしょう。この2つの検査はどちらを選べばいいのでしょうか。
便潜血検査とは便をスティックで採取して提出するだけの簡単な検査です。その便を調べて、血液成分が含まれていれば陽性となります。非常にシンプルで安価であることから、広く大腸がんのスクリーニングに利用されています。
便潜血検査の最大のメリットはその安全性と簡便さでしょう。出た便を採取するだけですので、ほとんど副作用のようなものはありません。デメリットは便に血が混じる疾患は他にも多々ありますので、陽性となっても本当にそれが大腸癌からでた血液なのかわかりません。むしろ、大腸がんである可能性は低く、便潜血陽性の患者様の中で大腸癌である確率は約2~3%といわれています。ですが、この便潜血検査を毎年繰り返すことにより、大腸がんによる死亡率は60%も下がったそうです。
大腸カメラ(下部消化管内視鏡検査)は肛門から大腸に内視鏡を挿入して、大腸全体を観察する検査です。この検査は便潜血検査と違い、実際に大腸を観察していくので、便潜血検査に反応しないような数mmの小さなポリープから大きな大腸がんまで発見することができます。当然、大腸がんに対する感度は95%以上と高く、非常に早期の大腸がんやがんになる前の良性ポリープも発見することができます。病変に対して生検や切除ができるのも大腸カメラ(下部消化管内視鏡検査)の大きなメリットでしょう
もちろん、大腸カメラにもデメリットがあり、それは検査前に前処置といって、腸を洗い流す処置が必要であったり、直接、大腸内に内視鏡を挿入することによる偶発症(穿孔や出血など)があることです。
ですので、これらのメリットとデメリットを考えて、バランスよく両方の検査を利用するのがいいでしょう。料金についても保険適応となるかどうかなどで、大きく変わります。大腸がんが心配な方、検査をしてみたいが検査が怖い、興味があるなど、ご相談いただければその方にあった検査方法を提案させていただきます。
当院では患者様の安全を第一に考え、体への負担の少ない検査を提案させていただきます。
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ささき内科・内視鏡クリニック 院長 佐々木 有一